運動療法
診察、検査などを行ない、適切な運動指導を行う、肥満外来での運動療法について解説しています。
肥満の運動療法とは
運動療法は、適切な運動の量や方法によって、体脂肪を減らしていくというもの。体を動かすことで、基礎代謝を上げて、太りにくい代謝の体に導いていきます。 クリニックでは診察、検査などを行ない、脈拍などを測りつつ、体を動かす運動を指導します。本人の体力や肥満の度合いによって、指導されるプログラムが違うのが特徴です。
ダイエットには運動が良いとわかってはいても、自分ひとりでは甘えが出てしまいますし、自分の体がいったいどれだけの運動量が必要なのか素人ではわかりません。 先生が体のコンディション、肥満の度合いなどを見てくれて、適切な運動量や運動方法を指導してくれますし、管理されていれば、それだけ続けやすいと思います。
食事制限と並行して行なう運動療法。安静時のエネルギー代謝を促して、脂肪を燃焼しやすくするための目的で行ないます。筋力トレーニングから有酸素運動などさまざまな方法で、適正体重まで減量するのが特徴です。1日の摂取カロリーを上回る消費量の運動を続けることで、自然と痩せられます。
反対に、いくら運動を頑張っても摂取カロリーが消費カロリーを上回るようであれば、減量効果は期待できません。それどころか、内臓脂肪がどんどん溜まっていくことになります。そうならないためにも、食事療法によるカロリーの制限、運動による代謝アップが大切だと認識しておきましょう。1日に消費するカロリーは、成人女性の場合で1日1300~1500kcal、男性では1500~1800kcalとされています。
ただ、30歳を超えたあたりから代謝は悪くなっていきます。20代の頃と同じ食事量をとっていると、体内に脂肪として蓄積。結果、気付いた時には肥満という可能性があります。運動療法をはじめるなら、かならず摂取カロリーと消費カロリーを意識して取り組むようにしましょう。
病院だからできる運動指導
体を動かすというのは、トレーニングやウォーキング、スポーツなど、いわゆる「運動」と、日常生活の中で体を動かす「生活運動」があります。この運動量を指導のもと増やすことで減量へと導きます。運動の仕方として、厚生労働省が発表しているのが、「エクササイズガイド」という肥満を予防する運動指針。 これをもとに運動を指導している病院もあり、見てみると参考になると思います。
運動療法の流れ
- 先生による問診、カウンセリング、血液などの検査、肥満の測定など
- 運動療法の決定
- 運動指導
- 自宅でのトレーニング
- 体重測定や検査、先生の問診
体の状態を把握し、運動療法が適切かどうか判断します。
運動の種類としては、有酸素運動(ウォーキングなどで酸素を取り込むもの)と無酸素運動(ウエイトトレーニングなど筋力運動など)があります。運動医学に基づき、個人にあった内容を指導します。
適切な運動方法をアドバイス。病院によって自宅での運動指導であったり、集団で実際に運動する実技指導であったり、様々です。
医師から指示された運動量を守り継続します。万歩計の測定であったり、トレーニングの回数であったり、自分の意思の強さが必要です。
この治療が3ヶ月以上続く、長期間のプログラムが多いようです。
運動療法の成功・失敗談
運動療法の成功談と失敗談をそれぞれご紹介します。
運動療法の成功談
- 血圧が高くなり医者から減量するように言われましたが自分ではダイエットができず、太ってしまう前はよく運動をしていたので運動療法をすることにしました。適度な有酸素運動で基礎代謝が上がり肥満を解消することができました。
- 肥満と高血圧を解消するためにクリニックでアドバイスを受け、家族にも協力してもらって食事療法と運動療法を続けました。その結果血圧が正常に戻り体もスマートになりました。
- ダイエット方法として副作用もなく効果がありそうな運動療法を選びました。生活習慣を見直していただき週に一度スポーツジムに通うことで脂肪を落とすことができました。
運動療法の失敗談
- 運動療法でダイエットできたのですが、運動をやめたらすぐに元に戻ってしまい継続するのはなかなか難しいと思いました。
1日の身体活動レベル
身体活動レベルとは、1日当たりの総エネルギー消費量を1日当たりの基礎代謝で割った指標です。一人ひとり基礎代謝は違うため、当然身体活動レベルも異なります。身体活動を数値として現し、基礎代謝量と組み合わせて1日に必要な食事エネルギー量を計算できるのが特徴です。妊娠や、授乳中の人は対象外になります。エネルギー量を基礎代謝量で割ったもので定義。身体活動レベルは、4段階のレベルに分けられていますので、以下に記載していますのでご一読ください。
24時間のエネルギー消費の合計÷基礎代謝量=身体活動レベル
ライフスタイル | 例 | 身体活動レベル |
---|---|---|
全く動けない、寝たきり状態 | 脳性麻痺患者 | <1.40 |
座る生活が中心 | 少し運動するが、基本的に動かないオフィス労働者 | 1.40-1.69 |
かなり活動的な生活が中心 | 建設労働や引越業務、または毎日1時間走る人 | 1.70-1.99 2.00-2.40 |
極度に活動的 | アスリート | >2.40 |
肥満の運動療法の効果
運動時は、エネルギーとして血液中のブドウ糖(血糖値)を使います。そのため、血糖値が下がり、翌日まで持続するのが特徴です。インスリンの働きがなくても、血糖値を下げる効果が期待できるでしょう。運動療法は、インスリンの分泌が不足しがちな肥満患者に適した治療法です。定期的に運動を続けることで、インスリンの効きを悪くする内臓脂肪の減少につながり、筋肉や肝臓の働きも良くなります。ウォーキングやマラソンなどの有酸素運動、筋トレといった無酸素運動によって得られる効果も変わるのが特徴です。そのため、自分の体の状態にあった運動方法を選ぶことで、より高い効果が期待できます。
肥満の運動療法の種類
運動の時間は、1回15分以上、1日30分から60分がすすめられています。運動の頻度は、1週間に3回以上を習慣づけましょう。消費エネルギー量の目標は、1日160kcal~240kcalとされています。自分に合った運動メニューを作成するためには、毎日できる運動で考える場合、犬の散歩や買い物、通勤時に歩くなど、日常生活に取り入れやすいものがおすすめです。
1週間に3回以上できる運動の場合、ウォーキングやジョギングなどの誰にでもできる運動、天気に左右されないトレーニングジムやプールなどを利用するのも良いでしょう。この他にも登山やゴルフ、ダンスなど自分が好きな運動を楽しみとして取り入れてみると、続けやすくなります。
肥満の運動療法の注意点
2型糖尿病患者は、運動中のインスリンが低下しづらいため、健常者と比較すると血糖値が低下しやすいです。特にインスリンや血糖値を下げる薬を服用している人は、運動中あるいは運動をした当日や翌日の間に低血糖の状態に陥るおそれがあります。そのため、日中に行う運動量に合わせて運動前や朝食の前に投与するインスリンの量の調整が必要です。
夕方以降に運動をする場合は、夜間に低血糖を起こすリスクが高くなるので注意してください。インスリンが欠乏した状態で全身を使った運動を行うと、運動中や運動後に血糖値が上がり、ケトーシスになってしまう可能性があります。1型糖尿病患者でケトーシスになりやすい場合、運動する際にインスリンの投与量をあまり減らさずに捕食で調整するようにしましょう。
参考文献
肥満外来を東京で受けるなら

肥満外来に通うおうかと迷っている方には様々理由があります。あなたに合った治療法はもしかしたら薬物療法ではなく運動療法かもしれません。食事療法ではなく薬物療法かもしれません。
東京には様々なクリニックがあり、そのクリニックによって得意としていることが異なります。
クリニック数が多い東京ならではの悩みですが、選択肢が多すぎてわからないですよね。
いずれにせよ、しっかり続けられる事。太らない習慣に変えること。この2点が大切です。当サイトで本当に悩みがある人に向けておすすめのクリニックを複数紹介していますので肥満外来クリニック選びの参考にしてください。

