脂質異常症
肥満と脂質異常症の関連性、予防法、脂質異常症の症状について詳しく紹介します。
肥満の人はなぜ脂質異常症になりやすいのか?
肥満の人が脂質異常症にかかりやすいのは、中性脂肪やコレステロールを多く含む食品を摂りすぎてしまう傾向が強いから。それらの過剰摂取は、血糖値を下げるインスリンの異常を生じさせ、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪の増加とHDL(善玉)コレステロールの減少を招きます。コレステロール値の過度な増減は、動脈硬化を起こし心筋梗塞や脳梗塞に繋がる恐れも。
肥満が原因の脂質異常症を予防するには
肥満の人は脂肪分の多い食事を摂りがちですが、コレステロール値の上昇は動脈硬化を進行させるので動物性脂肪の肉や卵などの摂り過ぎには注意が必要です。アルコールの飲み過ぎや甘いお菓子の過食は中性脂肪値を高くするので控えましょう。積極的に摂取すべきなのは、野菜などに豊富に含まれる食物繊維、青魚、大豆製品で、血清脂質値を下げ動脈硬化を抑制する効果があります。
いずれにせよ、肥満気味の場合は食事のコントロールだけでなく、適度な運動もするように心掛けましょう。適正な体重になると脂質異常症だけでなく、糖尿病・高血圧も改善され全身に好影響をもたらします。
仕事や家事、育児で食事制限や運動ができないという方におすすめしたいのが、クリニックの肥満治療。医師や栄養士、運動療法士など減量のプロが自分に合ったダイエットメニューを提案してくれるので、健康にダイエットすることができ太りにくい体になることができます。
そもそも脂質異常症って?
脂質異常症は血清脂質値(血液中の脂肪分濃度)が異常になる病気で、低HDLコレステロール血症、高トリグリセライド血症(高中性脂肪血症)、高LDLコレステロール血症の3種類があります。血液中脂肪分は健康な人の場合、LDLコレステロール140mg/dL未満、HDLコレステロール40mg/dL以上、中性脂肪(トリグリセライド)150mg/dL未満ですが、この3つの値うち1つでも範囲外であれば脂質異常症となります。ただしLDLコレステロール140mg/dL未満でも120~139mg/dLなら「境界域」となり、高血圧や糖尿病などがある場合は治療が必要になります。
以前、脂質異常症は高脂血症と呼ばれていましたが、善玉であるHDL-コレステロールは高いほうが良く高脂血症という病名は適切でないとされ、最近は脂質異常症と呼ばれています。
脂質異常症の症状
通常、血液中脂肪分の値が異常であっても症状が出ることはありませんが、そのままほっとくと全身の血管が少しずつ傷ついていき動脈硬化に発展するからこわいのです。動脈硬化が進むと脳や心臓の血液の流れが悪くなり、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などの発作が起きて命にかかわることも。また、QOL(生活の質)も低下します。
コレステロールとは
コレステロールとは、人間の体内にある脂肪分の一つです。わたしたち人間の体にとって必要な物質を含んでいる大切なもの。コレステロールは、人間の全身を作っている細胞や性ホルモン、皮膚ホルモン、胆汁酸などを作る材料にもなっています。しかし、何らかの原因で血液中のコレステロールが異常を起こしたり、量が増加したりすると動脈硬化やさまざまな病気の原因となります。さらに、コレステロールの中でも悪玉と善玉と種類があり、その働きも変わってくるのが特徴です。
悪玉・善玉コレステロールとは
コレステロールは、血液中に流れ込むとたんぱく質と結合して「リポたんぱく」というカプセル状の物質に変わるのが特徴です。りぽたんぱく質にはいくつかの種類がありますが、大きく2つに分けられます。LDL(低比重リポたんぱく質)とHDLコレステロール(高比重リポたんぱく質)です。LDLコレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きがあります。その点、HDLは、体内で余ったコレステロールを回収する働きが特徴です。
LDLコレステロールが過剰に増えてしまうと、コレステロールが体内のいたるところに蓄積。血液の流れを悪くして動脈硬化を引き起こす可能性があります。反対に、少なすぎると脳出血の原因にもなります。LDLコレステロールは、多すぎても少なすぎても危険を及ぼす可能性があるため、「悪玉コレステロール」と呼ばれるようになりました。一方、HDLコレステロールは体内に余ったLDLコレステロールを回収する働きがあるため、「善玉コレステロール」と呼ばれています。同じコレステロールでも対照的な働きがあるため、双方の働きをしっかり認識しておきましょう。
脂質異常症の診断基準(空腹時採血による数値)
日本動脈硬化学会による脂質異常症の診断基準は、2012年に改訂されました。健康的な体づくりには、LDLコレステロール値を正常に保つことが大切です。以下に脂質異常症の診断基準を記載していますのでご一読ください。
LDLコレステロール | 140mg/dL以上 | 高LDLコレステロール血症 |
---|---|---|
120~139mg/dL | 境界域高LDLコレステロール血症 | |
HDLコレステロール | 40mg/dL未満 | 低HDLコレステロール血症 |
トリグリセライド | 150mg/dL以上 | 高トリグリセライド血症 |
参考文献
コレステロールは、1日のうちほとんど変化はありませんが中産脂肪は食後3~6時間かけて上昇します。そのため、採血する際は空腹時に行ないましょう。なるべく午前中に朝食を食べない状態で採血を行なうのが一般的。正常な数値を測るために、採血当日は朝食をとらないようにしてください。LDLコレステロールや中産脂肪の数値だけでなく、他の危険因子(肥満、喫煙、高血圧、糖尿病、家族の病歴)などをふまえて治療方法を決定します。治療方法の多くは、正しい食事や運動の方法といった生活習慣の指導になるのが特徴です。
脂質異常症の種類とは
脂質異常は大きく分けて3つあります。
- 高LDLコレステロール血症<LDL(悪玉)コレステロールが多いタイプ>
- 低HDLコレステロール血症<HDL(善玉)コレステロールが低いタイプ>
- 高トリグリセライド血症(TG血症)<中性脂肪(トリグリセライド)が多いタイプ>
3つの脂質異常症の大部分の原因は、体質、高カロリーな食習慣、運動不足、体重増加、肥満などの生活習慣です。成人以降に発症するのが特徴。発症原因は、持続性と突発性の2種類に分けられます。他の病気に伴って起こる続発性の脂質異常症。続発性脂質異常症は、ホルモンの分泌異常や糖尿病、腎臓病、肝臓病といった病気から発症します。他にも、副腎皮質ステロイド治療、経口避妊薬と治療から発症することも。
一方、突発性の脂質異常症は、突発的に起こる症状です。生活習慣も考えられますが、遺伝による高コレステロール血症の場合もよくあります。家族に脂質異常症や、動脈硬化症疾患が多い方は、要注意。生活習慣によるものか、遺伝性なのか診断するのが大切です。肥満の方に多く見られる症状ともいえるので、肥満傾向にある方は要注意。ただダイエットして痩せるのではなく、食事改善や運動する習慣といった根本的な考え方から改善していく必要があります。しかし、何年も続けてきた食生活や生活リズムを直すのは容易ではありません。そんな時こそ、医療機関にて医師やスタッフと一緒に改善していくことをおすすめします。
参考文献
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