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脂肪肝

最近、日本でも増加中の肥満による脂肪肝。健診で肥満やメタボリックシンドロームが分かり、脂肪肝を指摘される人もいるのではないでしょうか?そこで今回は、肥満と脂肪肝の関係について解説します。

肥満による脂肪肝とは

脂肪肝は肝臓に脂肪がたまった状態です。初期の自覚症状はなく、進行すると肝臓の機能が低下し、疲れやすい・身体がだるい・むくみ・食欲不振・吐き気などの症状が現れます。

症状の特徴

脂肪肝は肝臓に中性脂肪が蓄積している状態を脂肪肝といいます。脂肪肝はいわば肝臓の肥満症で、フォアグラのようになっている状態です。脂肪肝をそのままにしておくと、肝硬変や肝がんなどの肝臓の病気のリスクを上げたり、糖尿病や心臓や脳の血管の病気へつながる可能性もあるものです。 脂肪肝は肥満やメタボリックシンドロームなどと、密接な関係があることが分かっており、特に中年以降の男性に多くみられる傾向があります。

肥満から脂肪肝に至る原因・メカニズム

脂肪肝の主な原因として、これまではお酒の飲みすぎによるものがありました。しかし、最近では、食生活の欧米化などにより、肥満や生活習慣病から脂肪肝になる人が増えています。炭水化物・脂質の食べ過ぎや運動不足が続くと、体に余ったエネルギーが中性脂肪として肝臓に蓄えられるようになります。
特に、肥満がベースにある糖尿病や脂質代謝異常では、糖分の代謝がスムーズに行われないため、脂肪肝になりやすいという特徴があります。一方で、最近の研究では、遺伝的な要因により、肥満ではないのに脂肪肝になる人がいることも分かっています。 非アルコール性の脂肪肝では、病態が進行するものと、そうでないものがあり、両者は区別されています。

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の特徴と原因

非アルコール性脂肪肝疾患の中でも強い肝障害を起こし、肝硬変や肝がんへと進行していくものを非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と言います。非アルコール性脂肪肝炎(NASH)では多くの症例で内臓肥満と高血糖がみられます。さらに、内臓肥満に脂質代謝異常・高血糖、高血圧が重なってみられるメタボリックシンドロームも半数以上の症例で認められます。

食べ過ぎや運動不足によって糖質や脂質を摂りすぎると肥満やメタボリックシンドロームになるリスクが高くなり、肝臓には中性脂肪が溜まって脂肪肝となります。非アルコール性脂肪肝炎(NASH)はメタボリックシンドロームが肝臓で表されたものとも言われており、肥満やメタボリックシンドロームは脂肪肝と深い関わりがあります。

肥満による脂肪肝を予防するには

肥満や糖尿病などにより脂肪肝になったとしても、規則正しい生活習慣に戻すことで、脂肪肝を改善させることができます。肥満による脂肪肝では、肥満・糖尿病などの生活習慣病の治療と並行して、食事や運動などの生活指導が行われます。 食事療法と運動療法を徹底していく上で、毎日の生活の中で次のことに気をつけるようにしましょう。

食事療法

理想は適正体重を目指して適切なエネルギー量の範囲内で栄養バランスのとれた食事を摂ることですが、食事のポイントとして次のことを心がけましょう。

運動療法

運動すると内臓脂肪がエネルギーとして使われて体重が減少し、血糖や血清脂質の値も整います。運動習慣を持ち、毎日の生活の中で身体を動かす時間を増やしましょう。

参考文献

NASHの診断 日本消化器病学会雑誌 2004;101;1183-1187

高知大学医学部付属病院 コラム メタボリックシンドロームと脂肪肝(NAFLDやNASHについて)

厚生労働省 肥満と脂肪肝

厚生労働省 健康づくりのための身体活動基準2013

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